ドイツ薬学視察研修 №5

今回は、ドイツや薬学博物館を紹介します。

ドイツ薬学博物館は、ハイデルベルグの古城の中にあります。
薬学博物館に入ると館長さんに出迎えていただきました。博物館は、薬剤師の職業に理解と関心を持ってもらえる様、職業の成り立ちや過去から現在の薬局の様子を広報をする場所として博物館を維持運営していると紹介いただきました。

展示室は全10室とショップが有りました。第1室は玄関とインフォメーションの場で医薬分業のシンボルでもある薬剤師と医師の守護の聖人が来館者をお迎えていました。
第2室は信仰と医療、薬事の歴史の概観について紹介していました。
第3室は子供薬局で、小さな薬剤師がお茶を調合したり、薬草を識別出来る体験コーナーとなっていました。
第4室にはウルムにあったクローネ(王冠)薬局の調剤室家具が置かれていました。
第5室はドイツ薬事博物館のハイライト、“マテリア・メディカ”-薬の材料の展示です。ここでは、19世紀まで薬局で常備されていた植物、動物、鉱物界からの薬の材料が展示されています。ユニコーンの角を実際に持たせて貰えました。
第6室にはクラーゲンフルトのウルスラ会女子修道院の調薬室とバンベルクのホーフ薬局の調薬室がおかれ、薬局での仕事に必要な実に多くの道具類が展示されていました。
第7室は薬の材料とハーブの部屋で、材料を加工し、保存する技術を語るために必要な道具類がいくつも置かれていました。
第8室では薬局の看板とシンボルマークの変遷がわかるように展示されていました。
第9室は新しく入手されたコレクションと特別展示の場でした。
第10室は実験室で、錬金術の手法で行われた試みから、初歩の化学・薬学につながる道具が置かれていました。

歴史を振り返りながら、『街の科学者』としての意識を持ち街の方々への支えにならなければと、改めて感じました。     (m&k)