1/f ゆらぎ


 

 秋の虫のこえ、木漏れ日の静かな動き、暗い部屋でゆっくりと揺れるロウソクの炎、打ち寄せる波の音。それらが、不思議と私たちの心を落ち着かせます。

 

   なぜ?落ち着くのでしょうか?
 
 


 

 微妙な空気の流れに左右さるロウソクの炎の動きは、規則的ではありません。打ち寄せる波の音も等間隔ではありません。つまり、規則正しさと不規則さが程よいバランスで調和しているとき、私たちは心地良さを感じ、心がやすまるのです。

 私たちが心地よいと感じるリズムを「1/f ゆらぎ」と呼ぶそうです。

 

ゆらぎの定義は、温度・音量・速度・濃淡・周波数・・・などを測定して得られた観測値の統計的平均値の近くで変動する現象とのこと。

 

例えば電子式メトロノームは、規則正しい一定の間隔で音を刻みます。一方、見たことない人もいるかもしれませんが、柱時計が時を刻むコチコチという音は、一定の間隔のように聞こえますが、正確にはズレが生じています。この機械時計ゆえに生じる微妙なズレがゆらぎです。

そして予測できない不規則なズレのうち、人が心地よいと感じるズレを1/f ゆらぎと呼びます。

私たちの生体リズムも1/f ゆらぎになっています。

 例えば、心臓は一定間隔で拍動しているように思われますが、実際には微妙にズレが生じており、それが1/f ゆらぎになっているのです。(不整脈とか病気ではありませんよ)

 

 外界から伝わる情報(音、動き、模様・・・など)に1/f ゆらぎがあると、それが生体のリズムと共振して、心地良さを感じるのです。その代表的なものが音楽です。音楽の特徴は音響振動数のゆらぎにありますが、ほとんどすべての音楽は振動数のゆらぎが生体リズムのゆらぎと同じように作られていると言われています。また、音楽だけでなくMISIAや吉田美和の声にも1/f ゆらぎがある、と言われています。

 

 かくの木薬局新堀店は、地域の皆様に「ゆらぎを提供する薬局」でありたいです。

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